私は25歳だった。
2回目となる、リシケシュへの道。
今回の目的地、ヨガニケタン。
魂の科学を書いたお坊さんが作ったアシュラム。
リキシャ(オート三輪車)が、ラムジュラに着く。
朝靄にけむる、リキシャスタンド。
行き交う、毛布を肩にまとう人々、
チャイが煮える、アルミの鍋から上がる蒸気、
土埃でかすむ雑踏、
その間から見える、ガンジス川。
ヴァラナシの、茶色く濁ったガンジス川も好きだけれど、
リシケシュの、この青銅色のガンジス川は、見るだけで、浄化されるような気持ちになる。
リュックを背負い、リキシャスタンドの向かいにある、急な坂を登り始める。
どんなアシュラムなんだろう?
どんな先生かな?
どんなことを学べるのかな?
どんな人がいるのかな?
ドキドキしながら、坂を登る。
バックパックの重みと急な登り坂に、一旦休憩しようかなってところで、どーんっと大きなアシュラムに到着。
ケララのシヴァナンダアシュラムは、ものすごい人数で(TTC=ティーチャーズトレーニングコースと、かぶったというのもありますが)、
滞在はかなりシンプルな建物に、ベッドが100台くらい並んでる、ドミトリーだったので、
水シャワーでも、シャワー、トイレ付きのシングルルームがもらえることに、感動。
高台にあるので、インド名物の激しい騒音も聞こえず、
眼下に見下ろすガンジス川。
日本語の本もある図書館に、
アットホームな空気感。
朝起きて、薄明かりの中、静けさと朝露に包まれた坂道を降りて、瞑想ホールに向かう。
朝日が登る前の、クリアな、凛とした空気。
瞑想のあとは、アーサナクラス。徐々に太陽を感じながら、ゆっくりと呼吸し、体を動かしていく。
ホールをでると、太陽はすっかり昇っていて、朝露に濡れた草木がぴかぴか笑ってるみたいに、光ってる。
色んな国から来た友達と、笑いながら食堂へと向かう。
床にあぐらをかいて座り、カップにチャイが注がれる。広がる、ジンジャーとカルダモン、シナモンの匂い。
出来立てのポリッジ(オーツ麦のミルク粥)が配られる。
立ち上る、あったかいミルクの白い湯気が、優しく、柔らかく、食堂に溶ける。
何が好きって、私は、このヨガニケタンの朝が好きだった。
今は変わってしまったかも知れないけど、当時、私はヨガニケタンが大好きになり、その後も、何度も何度も、何ヵ月も、滞在しました。
色々学んだヨガニケタンですが、一番はやっぱり、毎週土曜日のシャットカルマのクラス。
シャットカルマとは、ヨガの体の内部の浄化方法で、
鼻とか、胃とか、お腹の中とかを洗うのですが、
土曜日はヨガホールの裏に集まって、みんなで鼻と胃のお掃除をするのです。
寸胴にたっぷりと人肌の薄い塩水が用意されていて、
まずは、鼻洗い。
これは、よくテレビとかでもやってるので、そんなに抵抗も驚きもありませんでしたが、
続いて、胃の洗浄。
先生がお手本を見せてくれます。
コップになみなみ塩水を注ぎ、4杯をイッキ飲み。
背筋を伸ばしながら、中腰になり、指で、喉の奥を触る
と、説明しながら、デモンストレーション。
そして、噴水のように、コップ4杯の塩水を吐き出す先生。
これを、胃液がでるまで続けます。
はい、どうぞ。
、、、。
そりゃ、最初はびっくりしましたよ。
裏庭で色んな国の人が並んで、
ゲーゲーゲーゲー吐くわけです。
けど、やってみると、これが何とも言えない爽快感があってね。
気持ちいいのです。
そのうち、噴水みたいに、バサーっと吐けるようになると、
先生から、
Very good!
って。
そのうち、体の中がスッキリすると、意識もスッキリすることを実感し、
シャットカルマの大切さに気づきました。
ちなみに、こないだシャットカルマ、断食レポートを書きました。こちら。
1回目と2回目のリシケシュ、合わせて、1年近く経ったでしょうか。
お金がなくなった私は、ひとまず日本へと帰り、
梅田にある、大阪で一番大きな書店で、魂の科学を探しました。
残念ながら書店にはなく、注文することに。
まだ、ネットなかったですから。
間もなく手にした、めちゃくちゃ分厚い本、実践・魂の科学をリュックに詰め、私は山小屋で働き始めました。
また、リシケシュへ戻るために。