ヨガをめぐる旅のはじまり6|ヨガニケタンのシャットカルマクラス

私は25歳だった。

 

2回目となる、リシケシュへの道。

 

今回の目的地、ヨガニケタン。

 

魂の科学を書いたお坊さんが作ったアシュラム。

 

リキシャ(オート三輪車)が、ラムジュラに着く。

 

朝靄にけむる、リキシャスタンド。

 

行き交う、毛布を肩にまとう人々、

 

チャイが煮える、アルミの鍋から上がる蒸気、

 

土埃でかすむ雑踏、

 

その間から見える、ガンジス川。

 

ヴァラナシの、茶色く濁ったガンジス川も好きだけれど、

 

リシケシュの、この青銅色のガンジス川は、見るだけで、浄化されるような気持ちになる。

 

リュックを背負い、リキシャスタンドの向かいにある、急な坂を登り始める。

 

どんなアシュラムなんだろう?

 

どんな先生かな?

 

どんなことを学べるのかな?

 

どんな人がいるのかな?

 

ドキドキしながら、坂を登る。

 

バックパックの重みと急な登り坂に、一旦休憩しようかなってところで、どーんっと大きなアシュラムに到着。

 

ケララのシヴァナンダアシュラムは、ものすごい人数で(TTC=ティーチャーズトレーニングコースと、かぶったというのもありますが)、

 

滞在はかなりシンプルな建物に、ベッドが100台くらい並んでる、ドミトリーだったので、

 

水シャワーでも、シャワー、トイレ付きのシングルルームがもらえることに、感動。

 

高台にあるので、インド名物の激しい騒音も聞こえず、

 

眼下に見下ろすガンジス川。

 

日本語の本もある図書館に、

 

アットホームな空気感。

 

朝起きて、薄明かりの中、静けさと朝露に包まれた坂道を降りて、瞑想ホールに向かう。

 

朝日が登る前の、クリアな、凛とした空気。

 

瞑想のあとは、アーサナクラス。徐々に太陽を感じながら、ゆっくりと呼吸し、体を動かしていく。

 

ホールをでると、太陽はすっかり昇っていて、朝露に濡れた草木がぴかぴか笑ってるみたいに、光ってる。

 

色んな国から来た友達と、笑いながら食堂へと向かう。

 

床にあぐらをかいて座り、カップにチャイが注がれる。広がる、ジンジャーとカルダモン、シナモンの匂い。

 

出来立てのポリッジ(オーツ麦のミルク粥)が配られる。

 

立ち上る、あったかいミルクの白い湯気が、優しく、柔らかく、食堂に溶ける。

 

何が好きって、私は、このヨガニケタンの朝が好きだった。

 

今は変わってしまったかも知れないけど、当時、私はヨガニケタンが大好きになり、その後も、何度も何度も、何ヵ月も、滞在しました。

 

色々学んだヨガニケタンですが、一番はやっぱり、毎週土曜日のシャットカルマのクラス。

 

シャットカルマとは、ヨガの体の内部の浄化方法で、

 

鼻とか、胃とか、お腹の中とかを洗うのですが、

 

土曜日はヨガホールの裏に集まって、みんなで鼻と胃のお掃除をするのです。

 

寸胴にたっぷりと人肌の薄い塩水が用意されていて、

 

まずは、鼻洗い。

 

これは、よくテレビとかでもやってるので、そんなに抵抗も驚きもありませんでしたが、

 

続いて、胃の洗浄。

 

先生がお手本を見せてくれます。

 

コップになみなみ塩水を注ぎ、4杯をイッキ飲み。

 

背筋を伸ばしながら、中腰になり、指で、喉の奥を触る

 

と、説明しながら、デモンストレーション。

 

そして、噴水のように、コップ4杯の塩水を吐き出す先生。

 

これを、胃液がでるまで続けます。

 

はい、どうぞ。

 

 

、、、。

 

 

そりゃ、最初はびっくりしましたよ。

 

裏庭で色んな国の人が並んで、

ゲーゲーゲーゲー吐くわけです。

 

けど、やってみると、これが何とも言えない爽快感があってね。

 

気持ちいいのです。

 

そのうち、噴水みたいに、バサーっと吐けるようになると、

 

先生から、

 

Very good!

 

って。

 

そのうち、体の中がスッキリすると、意識もスッキリすることを実感し、

 

シャットカルマの大切さに気づきました。

 

ちなみに、こないだシャットカルマ、断食レポートを書きました。こちら。

 

1回目と2回目のリシケシュ、合わせて、1年近く経ったでしょうか。

 

お金がなくなった私は、ひとまず日本へと帰り、

梅田にある、大阪で一番大きな書店で、魂の科学を探しました。

 

残念ながら書店にはなく、注文することに。

 

まだ、ネットなかったですから。

 

間もなく手にした、めちゃくちゃ分厚い本、実践・魂の科学をリュックに詰め、私は山小屋で働き始めました。

 

また、リシケシュへ戻るために。

 

 

 

ヨガをめぐる旅のはじまり⑦|ヤマ・ニヤマとはに続く

 

 

管理人トゥルシ

ヨガ・アロマ・タイ古式マッサージ、癒しサロンTulsiのあきこです。
バックパッカーとして世界を歩き、国際結婚→離婚後、シングルマザーとして淡路島で小さな暮らしを営んでいます。
一杯の、読むハーブティー。
日々のヨガっぽい気づきや、心と体をやさしく整えるヒントをゆるりと綴っています。

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